会報 SHORT-NEWS[2014年12月号#305 一覧]

2014年11月15日(土)15:00~17:00 めぐろパーシモンホール大ホール 

共催:(公財)目黒区芸術文化振興財団

concert2014-%283%29 (4).jpg秋晴れの午後、『モーツァルトのロンドト長調』からコンサートは始まった。

ヴァイオリン和波孝禧&ピアノ土屋美寧子による共演。優雅な音色に惹きこまれ、客席は別世界へと誘われた。和波さんからの御挨拶に続いて『グリーグのヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番ハ短調』激しい曲調は北欧の厳しい自然を連想させるが、やさしい曲調に変わると私達をホッとさせる。寒い国だからこそ生まれる美しさやあたたかさを音楽で感じる事ができ、とても感動した。『マスネーのタイスの瞑想曲』は心地よく場内に響き『ドビュッシーのゴリウォーグのケークウォーク』『クロールのバンジョーとヴァイオリン』と明るく軽快な曲が続いた。

休憩をはさんで相良会長の挨拶の後、『メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調』オーケストラモチーフは今後の活躍が期待される学生オーケストラだ。松本宗利音さんの指揮により、フルスケールならではの迫力ある演奏とヴァイオリンの音色が響き合い、素晴らしいハーモニーがホール全体を包んだ。IMG_5113_1.jpg

アンコールは『ベートーベンのロマンス』であったが、曲の前に和波さんからメッセージがあった。「ベートーベンは、この曲を書いている時、ひどい耳鳴りがしていたそうである。耳が聴こえないという不自由な事があっても前向きに受け止めて生きていくという事を音楽が教えてくれた。音楽は素晴らしい平和のための道具であり、芸術や文化は大切である。」この時間を共有できた事に感謝したい。 

会員 小村 惠子               


2014年11月15日土17:30~ めぐろパーシモンホール 大ホールホワイエ  参加約110名

60周年.JPG目黒ユ協会は1954(昭和29)年103日設立され、今年60周年を迎えた。

この60年の時をつなぐ太い糸は、平和への静かだけれど深い渇望ではないだろうか。年年歳歳人は変わり、時代は想像を超える速さで未来都市を構築し進化しているが、世界では、いまだ貧困と流血が止まらない。このことが、私たちの胸を痛める。当協会の設立趣意書に、目黒の地に平和と正義を愛する人々の会を作り、幾らかでもお役にたちたいとある。難しい世相であるが、心を一つに地道な活動の継続を願う。

式典は、コンサート終了後、相良会長の挨拶で始まった。続いて青木英二目黒区長、教育長代理の金元伸太郎課長、日ユ協連の林美紀子理事の3名よりご祝辞を頂戴した。国会議員、都議会議員、区議会議員、教育次長のお名前紹介後、加藤玲子名誉会長の挨拶と乾杯で、祝宴スタート。ご来賓の皆さま、会員、青年たち、フレンドシップメンバーが賑やかに、立食パーティーを楽しんだ。その後、「10年を振り返る映像」の上映が宮下副会長の進行で始まった。2度の全国大会開催、55周年記念のユネスコ大賞、夏のつどい、コンサート、美術展、国際交流ひろば等の懐かしい映像や、青年たちによる東日本支援活動等、望月副会長と青年の力作2本だ。最後は、爲季副会長が、挨拶と3本締めで終了した。大勢の仲間たちの温かい笑顔に支えられ、私たちはまた次の時代へとユネスコの平和のバトンをつなげてゆきたい。  

事務局長 斉藤 真澄

主催:目黒区教育委員会   主管:NPO法人目黒ユネスコ協会

2014108日(水)900~1800 参加82名(内外国人31名)

交流ひろば 001.JPG世界文化遺産登録された富士山とその周辺を見学するバスツアーを実施した。当日は好天に恵まれ、参加者はバス2台に分乗し中目黒を出発。御殿場到着後バイキングレストランでランチを楽しみ、富士山麓ツアーの開始だ。あいにく富士山は雲の中で見えないが山中湖畔で集合写真を撮り、富士山の伏流水を水源とする湧水池で知られる観光名所、忍野八海に到着。多くの土産物屋や露店が並び、お国談議等をする参加者もいて、しばし観光客気分を楽しみ最後の目的地「山梨県立リニア見学センター」へ向かう。

20144月開館の当センターには日本で唯一リニアの試験走行を間近で交流ひろば 003.JPG
見学できるテラスがあり、リニアジオラマや浮上走行が模擬体験できる装置等がある。幸運にも試験走行実施の時刻に間に合い、なんと時速499kmで走るリニアを目の前で見た。左側から飛び出て右側のトンネルへと吸い込まれるほんの2~3秒の間であったが迫力満点で大興奮であった。帰路はその夜皆既月食を迎える美しく大きな満月がバスに並走。ほぼ定刻に全員無事中目黒に帰着した。    

参加者はバスの中、食事時、見学途中、散策中等に国を超えて親しく言葉を交わし、和やかな交流を楽しんだ。

交流 竹下 妙子


主催:目黒区教育委員会   主管:NPO法人目黒ユネスコ協会

2014年11月2日(日) 緑が丘文化会館

講師:藤波 俊宣 氏  早稲田大学先進理工学部 生命医科学科 助教

ナノシート、馴染みのない言葉だが現在社会にこのナノ(10億分の1の単位)がどの様な役割をはたしているか、その一端を伺うことが出来た。ナノシートのイメージからその現物に触れ、極めて薄い、当然に軽い、それでいて理数教室11・2.jpg強いものであることを知り受講者一同興味が深まったに違いない。例示としては手術の際縫合せずにナノシートで患部を被って接着する手法が紹介され、手術の簡素化、患者負担の軽減などの利点が写真により紹介された。これによって超微小手術(ナノサージャリー)などの分野がひろまるのだろう。この他電気的な特性、熱伝導性などの小実験が早大実験アシスタントの指導で行われ、新技術に興味が深まった講座であった。 

理事 斎藤 孝        


主催:目黒教育委員会      主管:目黒ユネスコ協会  

2014年11月1日(土)13:30~15:00 青少年プラザ 参加:51名

講師:駐日ベラルーシ共和国大使 セルゲイ・ラフマノフ氏

大使は現在、当協会の外国人のための日本語教室に通われている。赴任され僅か2年であるにもかかわらず、今日は全て日本語でお話いただきとても親日的な講演だった。

ベラルーシはロシア、ポーランド、ウクライナ、リトアニア、ラトビアと国境を接している。チェルノブイリ原発事故の被害を最も被った国であり、この事故の経験を活かし優れた放射能測定機器が開発され、多くの子供リハビリセンターがある。2013年より福島の子供達はベラルーシの保養施設に招かれ、来年は60名の子供達がお世話になるそうだ。このように温かい友好の手を差し伸べていただいていることを一日本人として心より感謝したい。

大使は「百聞は一見に如かず」と言われ、約90枚のスライド写真で母国を紹介された。トラクター等の工業製品や食用油等の農産品、日本人ダンサーが在籍するボショイオペラ・バレー劇場等が写し出された。ソチでは5個の金メダルを獲得しメダリスト達はさわやかな笑顔をみせていた。

絵画の様な森林の写真にひと際心惹かれた。ベラルーシの森林は日本のような山ではない。平面にどこまでも続く。夏は全てが緑におおいつくされ、木漏れ日のグリーンシャワーが降り注いでいた。秋は赤や黄色のふかふか絨毯のようだし、冬は澄んだ空気と神秘的な白銀の世界である。この豊かな森にはラズベリーやブルーベリー等が実り、貴重な野生動物が暮らす。湿地帯には絶滅危惧種の鳥が生息する。ベラルーシは"自然"と"開発"のバランスを国が管理し、自然を大切に保護してきた歴史がある。その広大な森林は『ヨーロッパの国立公園』と呼ばれているそうだ。大使は「自然は人類の富でもある」と言われた。

先進的な国の中に童話の世界のような森がある国ベラルーシをいつか訪ねてみたい。 

広報 木村 万里


主催:目黒教育委員会      主管:目黒ユネスコ協会  

2014年11月5日(水)18:30~20:00 中央町社会教育館 参加:50名

講師:文化庁文化審議会委員 神崎 宣武氏

昨年、ユネスコ無形文化遺産に和食文化が登録された。神主であり民俗学研究者である神崎氏が、そのいきさつ、内容、伝承の必要性について、日本古来の食文化をたどりながら興味深いお話をしてくださった。

提案内容は、「食材とその持ち味を尊重」「健康的食生活」「自然の美しさと季節の移ろいの盛り付け」「正月行事などの年中行事との密接な関わり」の4項目だ。その中で特に4番目が「自然尊重」という日本人気質に基づく食の慣習として重要視され、『和食:日本人の伝統的な食文化―正月を例として―』が正式名称である。

日本は山国であり、「山の峰に森(杜)がある」と8世紀の風土記に記されたように古くから山への信仰がある。神の山で採れた四季おりおりの幸、森から伝わる清らかな水が川となり海へと流れ、集まった魚を頂く。正月には山から歳神様が里に下りられる。その時の乗物が松であり、門松を立てて迎える。戸主は床の間などに案内し、お神酒、ご馳走を振舞い、皆で頂くのだ。歳神様は鏡餅に鎮座し、その年を守る約束をしてくださるのだという。お餅を惣煮(雑煮)に入れるのは歳神様の魂分けといわれ、子供達に配る餅はお年玉の始まりとなった。この正月行事は、日本独特の社会的慣習として1000年以上続けられてきている。室町時代に入ると、和食の基本が五器一膳(ご飯、すまし汁、なます、煮しめ、焼き魚)という形式となり、酒の肴として共食され、会食、宴会となれば、膳の数も増え、工芸食器の発展をも促した。

神崎氏は、最近は食生活も変化し、個食も珍しくないが、正月に皆で集まって食事を共に(共食)する、この日本の独特の食文化を未来に繋げていこうではないかと提案された。最後に「いいお正月を過ごしましょう」と閉じられた。         

広報 篠田 啓子


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