会報 SHORT-NEWS[2015年1月号#306 一覧]

目黒ユネスコ協会会員の皆さま、明けましておめでとうございます。

皆さまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

昨年、目黒ユネスコ協会は創立60周年を迎え、多くの方々からお心のこもった祝福を頂戴しました。今年は、第2次世界大戦終結70周年にあたります。ユネスコ活動は第2次世界大戦の灰塵の中から生まれました。「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」というユネスコ憲章前文の第2節は、戦後70年にわたってしばしば引用されてきました。しかしながら残念なことに、今日の世界に目を向けると、人の心を広く支配しているのは強固な「平和のとりで」ではなく、不信や猜疑心、冷笑や傲慢に過ぎないように思われてなりません。平和とは何でしょうか? 昨年ノーベル賞を受賞したマララ・ユスフザイさんは、一人の人間、1冊の本、1本のペンでも世界を変えられると主張し、世界中の人びとに勇気と感動を与えました。目黒ユ協の会員、特に青年たちに、平和とは何か、世界を変えるとはどのような意味かを考える1年となってほしいと願っています。

2014年11月9日、12月14日、21日、1月18日(日)全4回 14:00~15:30

区総合庁舎 はぎの間  

主催:NPO法人目黒ユネスコ協会306kadou2.JPG
共催:目黒区

伝統文化親子教室は、草月流よりモランジュ真紀子先生、大泉麗仁先生をお迎えし、華道教室が始まった。

1回目は花ばさみの持ち方や、水切り、枝の長さの決め方((しん)(そえ)(ひかえ))など、いけばなの基本を学ぶ。

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306kadou3.JPG2回目はクリスマス飾り。

この日のため長野から運ばれた白樺にドリルで穴を開け、

思い思いに飾りつける。

試行錯誤を重ね出来上がった作品は、

デコレーションケーキのような可愛らしいものから

ワイルドなクリスマスツリーといったものまで、個性が溢れている。

3回目は、青竹、松、南天、ゆり、水引306kadou1.JPGを使い正月飾りを作製。

松葉に南天の実を刺す子供、中国の正月を表現する為、持っていた乾燥ナツメを飾り付けるフレンドシップメンバーなど、参加者の手法と作風は様々だ。

モランジュ先生は、「子供の発想というのは、大人には考えつかないことがたくさんある。1回目は堅かった子供たちが、2回目、3回目と回を重ねるごとに、自由に個性のあるお花をいけているようでとても嬉しいです。」とおっしゃっている。

「次回は何をやるんですか?」「次も楽しみにしています」と先生に話かける子供達からは、お花に興味を持ち、いけばなを楽しんでいる様子がうかがえる。今回の華道教室は、花に触れ、季節を感じ、行事を楽しみ、感性を磨く絶好の場となったに違いない。茶道、華道と続いたこの教室が、日本の伝統文化を受け継いでいく一助となることを願っている。

会員 井上 奈奈


主催NPO法人目黒ユネスコ協会306Art.jpg

    目黒区

    目黒区文化団体連合会

    (公財)目黒区芸術文化振興財団

協力:

・イピル・イピルの会

・気仙沼ユネスコ協会

20141119日(水)~ 24()

目黒区美術館区民ギャラリー

   

街路樹の葉が鮮やかに青空に映える清々しい晩秋、目黒ユネスコ美術展が6日間の日程で開催されました。「美術(芸術)は、如何に平和に貢献できるか」を命題に53回目を迎えた本展覧会は、目黒ユネスコ美術作家、イタリアからの招待作家、ユネスコ会員による絵画、陶芸、書道、写真、ガラス工芸、製本、バードカービングなど幅広いジャンルの作品が出品され、見応えのある展示となりました。

会場の半分には、目黒の子供達の絵、気仙沼の子供達の生き生きとした作品とともに、「こどもスケッチ大会inサラエボ」の受賞作品が並びました。未だに人種、宗教の対立の溝が埋まらぬボスニアヘルツェゴビナの子供達の平和への願いが込められた作品は、震災復興の中、夢を描く気仙沼の子供達の作品と同様胸に響きました。

 世界の戦争地や日本等の災害の復興を支援するイピル・イピルの会による、ボスニアでの桜の植樹や歴史の展示も、平和への願いをより強く感じさせるものでした。その他にも、ユネスコ活動報告(青少年による活動)パネル展示や、会場の片隅では「ユネスコチャリティコーナー」も開かれ、盛りたくさんの充実した展覧会となりました

芸術・文化 鈴木 純夫


主催:目黒区教育委員会   主管:NPO法人目黒ユネスコ協会

2014年11月22日(土)14:00~  美術展会場   参加:32名

講師:罍 二夫 氏(在ボスニア・ヘルツェゴビナ初代特命全権大使)

306Bosnia.jpgボスニア・ヘルツェゴビナは東ヨーロッパのバルカン半島北西部に位置する共和制国家で、首都はサラエボである。周囲にクロアチア、セルビア、モンテネグロ。この地域は地理的環境のせいで、古くからカトリックと正教会の対立の最前線となり、中世のころから両宗教の激しい布教争いの場となった。15世紀後半にはオスマントルコの支配下に入り、19世紀後半にはオーストリア・ハンガリー帝国とロシア帝国の勢力争いの場となり、第2次世界大戦後は旧ユーゴスラビアの1共和国となった。1990年代にユーゴの崩壊過程でボスニアも戦乱を経験し、1995年の終息後現在に至る。

首都サラエボは第1次世界大戦発祥の地であり、3民族、3宗教混在の町である。3民族とは、ボシュニヤク人(イスラム教)48%、クロアチア人(カトリック)14%、セルビア人(正教徒)37%で、それぞれの寺院が近場に存在する不思議な光景がある。中でもイスラム教の戒律が一番厳しいが、ボスニアでは守られていない。それは余計な摩擦を防ぎ、地域社会を守る為の生活の知恵でもあり、共存しているともいえるが、「冷たい平和」とも呼ばれている。戦争が終結後、各国の支援も受けて復興も開発も進んだが、民族の仲直りは出来ていない。複雑な国の機構で、大統領が5人、首相は14人もいるそうである。

勤勉で、教育熱心で、綺麗好きな国民性だという。今でも戦争状態のイメージがあるが、実態は各民族がけん制し合い、戦争がおきない仕組みになっている。『冷たい平和』と言われる所以、と大使は説明された。しかし怨念を持ち続け、弾痕も地面の血の跡も憎しみを忘れないようにわざと残してあるということで、民族間の歩み寄りはなかなか遠いように思える。

それでは、ボスニアに未来はあるのか?あるとすればEU加盟すること。外国人との接点がふえればボスニア人同士が助け合うのではないか?という考え。EU加盟は3民族共通目標であり、ボスニア・ヘルツェゴビナの国旗にもそれが現れている。 

今回目黒ユネスコ美術展にボスニアの子供達の素晴らしい絵画がたくさん届いた。このような地味な活動が、平和への願いの小さな架け橋となることを祈って止まない。             

広報 山田 峰子


306dominica1.jpg昨年9月、内閣府主催、国際青年育成交流事業日本青年団の一員としてドミニカ共和国を訪れた。中南米に位置し、野球選手の育成やカリブ海リゾートとして知られるその地で、私たち派遣団は政府関係機関の訪問を始め、日本とドミニカ共和国を結ぶ教育・医療・農業機関の視察や現地学生とのディスカッション、ホームステイなど、数多くの貴重な経験をすることができた。私がドミニカ共和国で得た経験の中で最も心に残ったのは訪問先での人との出会いだ。大使館、JICA職員の方や交流した現地学生、ホストファミリーそして派遣団員。普段触れ合うことのできない様々な立場の人との対話を通し、お互いの価値観の共通点や相違点を知ることができた。特に印象に残ったプログラムは、相手と時間をかけて話すことのできた、ホームステイとサントドミンゴ自治大学学生とのディスカッションだ。

ホームステイ先の家族は、お父さんがアフガニスタン出身であったり、おばあさんが熱心な仏教徒で90年代に何度も日本を訪れていたり、とてもユニークなバックグラウンドを持つ家族だった。行動を共にしたホストシスターとは、開発援助や人権問題など興味分野が似ており、お互いの国だけでなく世界の格差や難民問題についてなど、語り合うことができた。私の興味分野を話すと、サントドミンゴの貧困地域へと出向きハイチ移民の人の話を聞く機会を得、他ではできないような経験をすることができた。

306dominica3.jpg現地学生とのディスカッションでは、アイスブレイクの際に「自分の家族が海外に住んでいる人」という質問に対して私たち日本人青年団の中からは一人だったが、ドミニカ人青年の過半数以上が「海外に住む家族がいる」と回答し、移民国家ならではのグローバリズムを感じた。私の周りでは未だに「外国へ行くこと=すごいこと」という概念が根付いているように感じるが、そういった概念をなくすよう働きかけていきたいと思うようになった。

本事業を通して、普段の自身の生活と全く異なった環境で様々な立場の人と交流をしながら18日間を過ごし、社会への問題意識や物の見方が大きく変わった。相互の共通点を見つけるのではなく、違いを受け入れそれぞれの得意分野を活かしていくことが相互協力であり、相互協力の輪が広がればより良い社会を作ることができるのではないかと思う。別れ際にホストシスターから「いつか絶対に地球のどこかで会おう」という言葉を聞き、この事業に参加し素晴らしい人たちと出会うことができて本当に良かったと感じた。この経験を今後の自身の糧にしてきたいと考えている。

青年会員 柿崎 安里

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