2013年8月20-22日 参加:12名
一ノ関から気仙沼港まで、山、川に囲まれた家々の美しい風景は、突然言葉を失う光景に変わった。あの3月11日の被災の跡。落ちていた茶碗や布団は人々の生活の生々しさを物語っていた。気仙沼港から津波で流されてきた巨大な船を見て、人間が到底かなうものではない自然の脅威を肌で感じた。この船が解体されたら、後世にこの大震災をどう伝えていけばよいのだろう。
翌日は気仙沼市立小泉中学校にて、井上正康大阪市立大学医学部名誉教授の「体の中に埋まっている地球生命史の発掘」、前気仙沼市立鹿折小学校の小野寺徳茂校長先生の「あの日のこと」、大木聖子慶應大学環境情報学部准教授の「地球の声に耳をすませて」と題された講演に続いて、大木先生と井上先生、銭谷眞美東京国立博物館館長(元文部科学事務次官)3人による「次代を担う子どもたちへ?科学体験を、もっと」というテーマでパネルディスカッションが行われた。小野寺先生の3月11日に愛しい生徒たちを失った悲しみと人の命の大切さ、思いやりを願う講演は、全国の子どもたちに聴いて欲しい講演だった。最後は全員で「花は咲く」他2曲の大合唱で締めくくられた。
3日目はユネスコ世界遺産に登録された、「平泉の中尊寺・金色堂」を見学。復興までの道のりはまだまだ長いことを改めて感じた。そして、大災害は決して他人事ではなく、今自分にできること、すべきことを今一度考え、被災地の人々にもっと心を寄せていきたい。
会員 原田 忍
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