2013年10月2日(水)10:00 めぐろ学校サポートセンター 参加者31名
講師の吉岡氏は全国日本語教師養成協議会を十数年前に設立し、現在、学校法人吉岡教育学園千駄ヶ谷日本語学校(住所:高田馬場)を運営されている。この学校は38年に及ぶ歴史があり、氏は日本語教育の現状そして推移を熟知されている。
日本に来て日本語を学ぶ外国人は高等教育機関(大学・大学院・専門学校等)に進学するための留学生や日本の文化(アニメ、マンガ、J-POPなど)に魅せられてきた人、海外日系人、就労している人、日本人の配偶者など多種多様な目的の人たちである。その中で、日本語学校で学ぶ留学生は1?2年の短い期間に、日本語を習得して、大学入学相応の日本語力を身につける必要がある。また、日本語学校は文化、習慣が異なり、しかも来日当初日本語が話せない若者に生活指導、法令順守、出席管理などを行うとともに親身に相談相手になり、日本での生活に適応できるよう生活全般の世話をし、日本語の学習効果を挙げなければならない。当然、日本語教師は、日本語の専門家でなければならない。日本語教師養成講座での420時間の学習はもちろんのこと、日本語教育能力検定試験に合格することが望ましい。日本語教育の現場では、実地でのノウハウこそ要求される。直接法(媒介語を使わず、日本語のみで教える)の授業は、積み重ねによって学んでいくので、一回たりとて手を抜けないのである。
現在、世界の日本語学習者は400万人に上る。トップは中国で、インドネシア、韓国がそれに続く。その動機として、前述のように日系企業への就職のほか、アニメ、J-POP等への興味という文化的側面からのアプローチもある。日本語は日本の文化、社会、生活習慣、日本人の考え方を表しており、日本語教育は日本を知ってもらうための教育でもあり、それが学習者の国との相互理解、ひいては国際交流にもつながっていくのである。それを思えば、日本語学校及び日本語教師は極めて重要な役割を果たしているといえる。
取材:広報 清水敦子
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