主催:目黒区教育委員会
主管:NPO法人目黒ユネスコ協会
2013年 12月14日(土)15:45~19:15 高尾山
参加:45名(大人含む)
講師:岡崎弘幸氏(中央大学付属高等学校教諭)
協力:NPO法人体験型科学教育研究所
ミシュラン人気で倍増した登山客がそろそろ下山するころ、人の流れに逆行して、防寒着の親子連れが次々と集まってきた。皆、期待と不安に胸を弾ませている。
本当にムササビに出会えるのかな?肉眼で見えるのかな?
まずムササビ博士の岡崎先生から、その生態について説明を受けた。ムササビはげっ歯類でネズミ科リス目。夜行性で日没後30分から日の出前30分の間に活動する。12月のこの時期、繁殖期をむかえ活動が活発になるという。一行は薬王院の境内に向かい、巣穴の下方に待機すると、じっと日没を待った。
冬の日は短い。山の気温は下がり、足元がしんしんと冷えてくる。かじかむ指先に手袋を忘れてきたのが悔やまれる。そのとき、「グルルーグルルー!」とムササビ特有の鳴き声が聞こえてきた。眼下の杉の木にいるらしい。目を凝らしていると、突然舞い降りた。歓声が上がる。先生が樹上のムササビを指さすが、素人の目にはなかなか認識できない。動いて初めてそれとわかる。
続いて屋根裏の巣穴から顔をだし、皆の見守る中、白い腹を見せて舞い降りる姿も確認。まさに『空飛ぶ座布団』だ。杉の大木には何匹ものムササビが点在し、樹木から樹木へと滑空する姿も見られた。
ベストシーズンとはいえ、こんなにたくさんのムササビに遭遇できるのは珍しいらしい。「皆さんはラッキーですね」と岡崎先生。帰途は眼下に大都会の夜景を見ながら、暗闇の中、急な坂道を1時間かけてひたすら下る。膝をがくがくさせながらも「来てよかった」と、皆、大満足の体験だった。
広報 林 多香子
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