2014年11月15日(土)15:00~17:00 めぐろパーシモンホール大ホール
共催:(公財)目黒区芸術文化振興財団
秋晴れの午後、『モーツァルトのロンドト長調』からコンサートは始まった。
ヴァイオリン和波孝禧&ピアノ土屋美寧子による共演。優雅な音色に惹きこまれ、客席は別世界へと誘われた。和波さんからの御挨拶に続いて『グリーグのヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番ハ短調』激しい曲調は北欧の厳しい自然を連想させるが、やさしい曲調に変わると私達をホッとさせる。寒い国だからこそ生まれる美しさやあたたかさを音楽で感じる事ができ、とても感動した。『マスネーのタイスの瞑想曲』は心地よく場内に響き『ドビュッシーのゴリウォーグのケークウォーク』『クロールのバンジョーとヴァイオリン』と明るく軽快な曲が続いた。
休憩をはさんで相良会長の挨拶の後、『メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調』オーケストラモチーフは今後の活躍が期待される学生オーケストラだ。松本宗利音さんの指揮により、フルスケールならではの迫力ある演奏とヴァイオリンの音色が響き合い、素晴らしいハーモニーがホール全体を包んだ。
アンコールは『ベートーベンのロマンス』であったが、曲の前に和波さんからメッセージがあった。「ベートーベンは、この曲を書いている時、ひどい耳鳴りがしていたそうである。耳が聴こえないという不自由な事があっても前向きに受け止めて生きていくという事を音楽が教えてくれた。音楽は素晴らしい平和のための道具であり、芸術や文化は大切である。」この時間を共有できた事に感謝したい。
会員 小村 惠子
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