主催:目黒教育委員会      主管:目黒ユネスコ協会  

2014年11月5日(水)18:30~20:00 中央町社会教育館 参加:50名

講師:文化庁文化審議会委員 神崎 宣武氏

昨年、ユネスコ無形文化遺産に和食文化が登録された。神主であり民俗学研究者である神崎氏が、そのいきさつ、内容、伝承の必要性について、日本古来の食文化をたどりながら興味深いお話をしてくださった。

提案内容は、「食材とその持ち味を尊重」「健康的食生活」「自然の美しさと季節の移ろいの盛り付け」「正月行事などの年中行事との密接な関わり」の4項目だ。その中で特に4番目が「自然尊重」という日本人気質に基づく食の慣習として重要視され、『和食:日本人の伝統的な食文化―正月を例として―』が正式名称である。

日本は山国であり、「山の峰に森(杜)がある」と8世紀の風土記に記されたように古くから山への信仰がある。神の山で採れた四季おりおりの幸、森から伝わる清らかな水が川となり海へと流れ、集まった魚を頂く。正月には山から歳神様が里に下りられる。その時の乗物が松であり、門松を立てて迎える。戸主は床の間などに案内し、お神酒、ご馳走を振舞い、皆で頂くのだ。歳神様は鏡餅に鎮座し、その年を守る約束をしてくださるのだという。お餅を惣煮(雑煮)に入れるのは歳神様の魂分けといわれ、子供達に配る餅はお年玉の始まりとなった。この正月行事は、日本独特の社会的慣習として1000年以上続けられてきている。室町時代に入ると、和食の基本が五器一膳(ご飯、すまし汁、なます、煮しめ、焼き魚)という形式となり、酒の肴として共食され、会食、宴会となれば、膳の数も増え、工芸食器の発展をも促した。

神崎氏は、最近は食生活も変化し、個食も珍しくないが、正月に皆で集まって食事を共に(共食)する、この日本の独特の食文化を未来に繋げていこうではないかと提案された。最後に「いいお正月を過ごしましょう」と閉じられた。         

広報 篠田 啓子



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