主催:目黒区教育委員会    主管:NPO法人目黒ユネスコ協会
2015年4月14日(火) 18:30~20:00   緑が丘文化会館   参加者 70名
講師:大原謙一郎 氏 公益財団法人 大原美術館理事長 倉敷芸術大学客員教授

大原1.jpg大原美術館は1930年に岡山県倉敷市に開館した。西洋美術、近代美術を展示する美術館としては、日本最初の美術館である。大原謙一郎氏は創設者大原孫三郎の孫にあたり、世界と日本の文化の融合のために日夜ご尽力されてきた。
 氏は先ず大原美術館の概要を説明された。商人(あきんど)の街倉敷の『なまこ壁』と『ギリシャ様式の柱』を表玄関に併せ持つ美術館であること。この美術館の代名詞ともなっているエル・グレコの『受胎告知』の画は、洋画家児島虎二郎がパリの画廊で偶然見出したもので、現在ではこれが大原美術館にあることは奇跡だといわれていること。数々の世界的名画が所蔵されていて、戦前からの日本と世界の文化の架け橋となってきた歴史を振り返る。
また『文化は、価値はあるが万能ではない』と憂う大原氏だが、それでも『文化の融和が人類を救うのだ』と強調された。第2次世界大戦の敗戦国であるため、世界から冷たい目でみられていた日本だが、当時の皇太子殿下(現在の天皇陛下)がシカゴで東大寺の古美術展を開いたことで、日本人は敬虔な心と高い芸術性を持った国民として理解されたのだという。文化は一人ひとりの心の中に眠っている能力を引っ張り出す力を持つ。フランスが世界中から文化の国として尊敬を集めているのは、世界の融和のために美術館が貢献しているからであり、そのことは重大な意味をもつのだと説く。
これから、日本という国が人類の宝だと世界に分ってもらうためには、文化、芸術、人文学の復権が大事であり、一人ひとりがしっかりと目を見開いて、付和雷同せずに生きてゆく必要がある。
人類はもっとお互いに我慢しなければ地球にとっても人類にとっても大変なことになるであろう。
広く視野を持って異文化の融和をはかり、日本の風格を守ろう!と力強く締めくくられた。 
その言葉は大原美術館からの明確なメッセージとなって参加者達に伝わり、ユネスコならではの講演に会場は喜びに満ちていた。「文化は万能ではないが無力でも無い」という視点に感動したという声が数多く寄せられた。

広報 山田 峰子


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