日時:2015年11月13日(金)19:00開演
場所:めぐろパーシモンホール 大ホール
出演:Duo Grace 高橋多佳子&宮谷理香
主催:NPO法人目黒ユネスコ協会
共催:(公財)目黒区芸術文化振興財団
来場:約590名
今年のコンサートは、目黒ユ協年少会員コスモスの子供達による「私の夢」―子どもの詩集愛育社「道・明日へ」より抜粋―という詩の朗読から始まった。ユネスコらしく、とDuo Graceが用意したのは世界各国の民族色あふれる「音楽で世界を旅する」プログラムだ。2台のピアノが向かい合うステージにピアニスト2人はにこやかに登場。
1台でも充分な音量のコンサートグランドピアノ2台を4手で弾き始めると、その音色は大ホールの隅々まで響き渡った。聴いたことのあるポピュラーな曲が多く組まれていて、観客(小中学生)への配慮がうかがえる。ショパンコンクール入賞のお二人だけに、二部で披露されたショパンのワルツは、ソロピアノならではの魅力が光った。
トークでも、二人の息はぴったり。「ポーランド語を是非・・・」という宮谷さんに高橋さんが応じ "ありがとう"(Dziękuję ジェンクイエン)を観客と一緒に発音練習。ポーランド留学当時「ひとくいざる」(人食猿→じんくいえん)と覚えた、というエピソードも披露、会場はなごやかな雰囲気に包まれた。
最後の「ラプソディーインブルー」は、ピアノとオーケストラの作品だが、Duo Graceのために2台ピアノに編曲。ご来場の編曲者も紹介され、観客から暖かい拍手が送られた。アンコール2曲では本領発揮。ハイテクニックによるリズミカルな「剣の舞」と、続くラフマニノフではpp(ピアニシモ)はあくまで弱く、ff(フォルテシモ)はホールに響きわたるピアノ2台の大迫力で、華やかなフィナーレとなった。
ホワイエでは、伝統文化親子教室「陶芸と華道」の参加者の作品が展示された。華道の講師作品に加え、参加者自身で作製した花器に花が生けられ来場者を芸術の秋へといざなう。
第46回を迎えたこのコンサートのサブタイトルは、―次世代への平和と文化のメッセージ―である。会場には、招待されたたくさんの小中学生が訪れた。次世代へのバトンは確実に引き継がれていくであろう。「2台のピアノが奏でる音楽」で世界をめぐり、平和への思いを胸に、心をひとつにした秋の一夜であった。
理事 井上 奈奈
【プログラム】
・モーツァルト:二台ピアノのためのソナタKV448
・サン=サーンス:「動物の謝肉祭」
・ショパン:ワルツ第7番・第6番(宮谷solo)/「華麗なる大円舞曲」(高橋solo)
・チャイコフスキー:「くるみ割り人形」より ?あし笛の踊り/花のワルツ
・ミヨー:「スカラムーシュ」より ブラジルの女
・ガーシュイン:ラプソディーインブルー
【アンコール】ハチャトリアン:「剣の舞」・ラフマニノフ:タランテラ
アンケートより:
「子供たちがかわいかったし、子供たちが集中して聞いているのに驚いた!」「色々あって楽しめた、有名な曲おりまぜて選曲上手」「デュオで華やかで繊細なピアノがとても素晴らしく感動、トークも楽しかった」「ロビーの花とても素敵、一晩で様々な芸術に出会い豊かな時間を過ごすことができ、感激致しました」
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