新たな年を迎えて、一言ご挨拶を申し上げます。旧年中は、多くの皆さまに様々なご助力・ご協力を頂戴しました。心より御礼を申し上げます。そして本年もまた、本協会のユネスコ活動に対して、旧に倍するお力添えをたまわりたく、お願い申し上げる次第です。
昨年は、ユネスコ本部の所在地であるパリで、2回にわたる無差別テロ事件が発生し、多くの一般市民が犠牲となられました。同様の事件がエジプト、イラク、トルコなどでも起き、またシリアでは泥沼と化した内戦がいつ終わるとも知れません。これらの事件に共通して関わっているといわれるのが「イスラム国」を名乗る過激な武装勢力です。いずれの宗教も他者に対し、特に弱者に対して寛容であれと教えています。その宗教に名を借りたテロや殺人ほど卑劣な行為、非人間的行為はありません。
「人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という有名なユネスコ憲章の前文を、今ほど真摯に受け止めなければならないことは、第2次世界大戦後の70年間、かつてなかったといえるのではないでしょうか。ユネスコ活動に携わるわれわれは、今あらためて、この言葉のもつ重みを味わう必要があります。
平和とは、単に戦争がない状態を意味するのではないとよく言われますが、今年こそ戦争、民族紛争、宗教対立、弱者に対する抑圧、差別など、平和不在の状況が地球のすべての地域から一掃されることを祈ってやみません。
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