2017年12月9日(土)14:00~16:00  緑が丘文化会館
 講師:品川 明 氏 学習院女子大学教授  参加:18名

大人と子供、どちらがより多くの味覚を感じ取れるだろう?もちろん私たちは「大人」と答えるが、本当だろうか?今回は、普段あまり意識したことのない“味覚”について子供たちに体感してもらう。
品川先生は「友達と違っても良いから、自分の考えを言うのが大切だよ。何かを発見するのは、とてもワクワクすること。よく見て、聞いて、触れて、嗅いで、味わおう」と“始めの約束”をしてから、実験を始めた。
用意されたのは6カップの透明な水。それぞれ甘味と塩味が段階別になっていて、どんな味か?濃いか薄いか?美味しく感じるのはどれか、各自で判断していく。好みがそれぞれ違うのが面白い。次のカップは甘味と酸味。甘味と比べ酸味や苦みがごく微量でも判るのは、命の危険を察知するため、と知る。
また別の3種を飲み比べ、そのうち2つを混ぜてみると、全く別の味“旨味”になった。昆布0.07%、鰹節0.035%が含まれていて、別々では感知できなかったのが、混ぜると“旨味”として舌に残る。昆布と鰹節の出汁を足すと、その旨味は7倍にもなるそうだ。実際に、煮干しの出汁で作った味噌汁と、ただの味噌汁を飲み比べて“旨味”を再確認する。
その後、煮干しを解剖(乾燥していて、これがなかなか難しい)して、その構造とヒトとの共通点を探ったり、と盛りだくさんの体験学習だった。

私たちが“旨味”と感じるその味覚は、今や世界の料理人を魅了し、和食ブームを巻き起こしている。煮干しは、日本の食文化が生んだ最高傑作の一つで、鰹節・昆布と並んで和食には欠かせない。味覚はその経験値で鍛えられるというが、近頃、煮干しでだしを取って味噌汁を作る家庭はどのくらいあるだろう?つい“だしの素”に頼ってしまう自身を反省させられた。

広報 林 多香子


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