2018年5月27日(日)14:00開演 めぐろパーシモンホール大ホール
須川展也(サクソフォン) × 奥村 愛(ヴァイオリン)× 小柳美奈子(ピアノ)
今回の出演は、世界的に活躍しているサクソフォンの須川展也と、ヴァイオリン、ピアノのトリオだ。高い技術に裏打ちされた三人の、息の合ったアンサンブルは素晴らしく、特にサクソフォンの音色の豊かさに魅了された。
ヴァイオリンの名曲でコンサートが始まると、優雅な弦の響き、寄り添うピアノの調べに引き込まれ、須川氏が加わったトリオでは、各々の美しい音色に思わず心奪われた。
この三楽器の組み合わせは珍しいそうだが、その為に作曲されたというハイテクニックな作品で前半は終了。
後半の冒頭はデサンクロ。一般的にはあまり知られていない作曲家だが、サクソフォン奏者にとっては登竜門的な名曲で、“デサンクロを聴きに”来た学生もいたようだ。続くビゼーもオーケストラ編成の曲を,管とピアノの二重奏で表現し、さまざまな音色と奏法の幅広さに驚かされる。ヴァイオリンが加わると、うって変わってラテンのリズムにのり、ジャズの名曲へと続く。アンコールはピアソラの名品「アヴェ・マリア」。合間のトークも終始和やかで、三人が心から演奏を楽しんでいる様子が客席にも伝わってきた。
出演依頼の際、各々の楽器の持ち味や魅力が発揮できるような選曲を、とお願いしたところ、バラエティに富んだプログラムが実現した。演奏者の技量は勿論、それを可能にする編曲者の功績にも、敬意を表したい。
年に一度のユネスココンサートは、会員にとっても貴重な親睦の場となっている。ロビーでは、あちらこちらで人々の輪ができ、談笑する姿が見られた。
コンサート担当 林 多香子
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