2019年9月7日~8日(土~日) 豊島区立目白小学校
主催:日本ユネスコ協会連盟 共催:東京都ユネスコ連絡協議会

識字率の向上は生活の質を高め、平和に貢献するという高い志から始まった世界寺子屋運動、これまでの役割と今後の展望がメインテーマだ。
【1日目】基調講演、講師ウルケル・ハネマン博士は識字教育とは成人の生涯学習として継続が重要であり、母親が識字教育を受けると幼児の栄養状態が改善され死亡率が減少し、また貧困からも解放されると訴えた。続くディスカッションでは、アフガニスタン・ネパール・カンボジアの寺子屋学習者が、識字教育を受けたことで将来の希望が広がったなどと、語った。
【2日目】パネルデスカッション「学びを通して共生社会を創る」に続いて、基調講演「寅さんの学校論」は講師山田洋次映画監督。こちらは、様々の事情で、学校に行けなかった人々が夜間中学に居場所を見つけて、勉強する物語だ。「幸せ」とは何だと思うか、という先生と学生のやり取りが紹介された。「お金?」という答えにホッとうなずく仲間たち。でも、お金でないなら、なんだろう。また別の少女が、初めて夜間学校の教室で、先生やみんなの笑顔に迎えられた時、「うれしくて、心が温かくなった」と答えた。それが、監督の映画に込めた幸せの回答なら、私たちが支援している寺子屋運動もまた、学びの場作りであり、喜びの種を30年間撒いてきたのかもしれないと、深く共感できた。次年度は山口県宇部市開催予定だ。

事務局長 斉藤 真澄


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