2023 年 9 月 9 日(土)・ふじさんホール
主催:日本ユネスコ協会連盟・山梨県ユネスコ連絡協議会
主管:山梨市ユネスコ協会
全国各地から 300 名を超える多くのユネスキャンが一堂に会し、さらなる活動の発展を誓うにぎやかなフェスティバルとなった。
大会のコンセプトは、① 富士山がユネスコの世界遺産に登録されて 10 年目の記念すべき年であることから「富士山」と、②ユネスコ活動の高齢化にストップをかけるため次代を担う「若者の声を聞く」である。
あいにくの曇空で富士山の雄姿を見ることはできなかったが、富士山ろくの緑豊かな自然の中でユネスコ活動の現状を振り返り、未来を展望する意義深い大会だった。
開会式に続いて、「富士山と浮世絵 ~お江戸にタイムスリップ デジタル化が明かした江戸庶民の文化~」をテーマに、牧野健太郎氏の興味深い講演があった。同氏は米国ボストン美術館にある浮世絵のデジタル化プロジェクトの日本側責任者。デジタル化によって、普段見逃してしまう絵の細かいところを拡大することが出来るようになった。これを観察すると、風刺とユーモアを利かせて庶民の暮らしぶりが表現されており、また作者の意地などが垣間見え、見る人は笑いながら絵を楽しんだことが分かる。葛飾北斎の富岳三十六景から入り、多くの浮世絵を実際にスクリーンに映し出して細部を拡大して示しながら、解説された講演はとても面白かった。
次に、高校生 4 人によるパネルディスカッション。テーマは「ユネスコの今と未来」。ステージ上には、山梨県内の高校生3 名と愛媛県からオンラインで1名が参加。それぞれが自分たちのユネスコ部などでの実際の活動や今後の方向性などについて熱心に語り、頼もしかった。なお、地域の民間ユネスコ協会との交流などは、残念ながら、少ない印象だった。
学校と民間団体の関係は難しい面もあるが、双方で情報共有する機会があれば、双方にさらなる発展が期待されると思われる。このような実例は、目黒ユ協でも、ユネスコスクールとの協力や青年部の活動にも参考になる点が多く、今後に期待したいと感じた。
会長 爲季 繁
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