講師:スニサー・ ウィッタヤーパンヤーノン氏(東京外国語大学教授)
キッティパン・バンイーカン公使参事官(工業部)・サコン・ワナセッティー参事官(農業部)
主催:目黒区教育委員会 主管:NPO法人目黒ユネスコ協会
日時:2023年10月21日(土) 14:00~16:00  緑ヶ丘文化会館 参加 約45名

初めに爲季会長が挨拶後、3名の講師を紹介した。外語大のスニサー教授とサコン参事官は学生時代に日本に留学の経験があり、お二人は完璧な日本語で講演され、とても素晴らしかった。 (以下概要)
最初にスニサー教授が、『日タイ交流の歴史と言語から見る日タイ文化』について講演くださった。600年も続く日タイ交流の歴史の中で、タイで王(太守)になった日本人の山田長政のお話。またタイ語の代表的な特徴の声調については、「馬が来る」「犬が来る」を「マー マー」と同じ文字で表記し、声調を変えることで意味の違いを表現しているそうだ。その他にタイ語のポライトネスについて貴重なお話を伺えた。
次に、キッティパン公使参事官が、『Thailand’s Industry and Sustainable Development Policy』についてタイ語でご講演された。
1. 「タイの経済見通し」で特に注目すべきは観光分野で、今年上半期には前年比約5倍の成長があり、1300万人の観光客が訪れた。日本とタイの貿易は、2022年の貿易額は約6兆円で、日本は中国とアメリカに次ぐ第3位の貿易国だ。タイから食品加工品であるツナ、サーモンの缶詰や鶏肉(冷凍肉)、機械部品やゴムが日本へ輸入され、日本からタイへは機械部品や電子回路などが輸出されている。タイへの投資累計額では日本が第1位だ。
次に2.「タイ産業の現状」を学び、3.「持続可能な政策」としてタイ政府は、工業発展と環境保護を両立させ、2050年までに「カーボンニュートラル社会」、2065年までには「ネット0」を目指す環境ロードマップを策定。国連のSDGsランキングで43位に上昇し、環境政策を強化している。バイオ経済、サーキュラー経済、グリーン経済に焦点を当てた「BCG政策」を進行中で、特にバイオ経済ではバイオディーゼルやバイオプラスチックの分野で世界的な実績を上げている。サーキュラー経済では、2027年までに廃棄物のリサイクル率を増加させる施策を進めており、工業団地の環境基準やEVの普及にも注力している。
タイの工業の持続可能な発展は、自国だけの努力では成し得ないもので、 日本からのご協力に負うところが多大だと、感謝の意を述べられた。
最後にサコン参事官が「タイ農業の概況とタイの世界農業遺産」についてお話しされた。琉球王国とタイと貿易が盛んに行われた水船は、目黒区のタイ大使館に模型がある。また両国の長い交易の歴史を象徴する品として長崎からシャムに伝わった「鶏卵素麺」や、タイ(シャム)から持ち込まれたとされている「軍鶏」「しゃも」もある。また沖縄のお酒の泡盛は、原量が昔からタイ米を輸入して作っており、日本とタイの間の長い関係を象徴している。そしてスマート農業を目指す「タイ農業の概況」や、「タイの世界農業遺産」では、『タレー・ノーイ湿地帯の水牛牧畜・農業生態系システム』を世界農業遺産に認められるために、タイの視察団が日本へ何度も足を運んで学び、昨年遂に認められたそうだ。
タイの文化や言語、工業や農業、そして日本との関係など、大変興味深く学ぶことが出来た。

研修委員長 山田 香代


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