講師:門司健次郎 氏 山田琴子 氏
主催:目黒区教育委員会 主管:NPO法人目黒ユネスコ協会
日時:2024年1月20日(土) 10:00~12:00                 
会場:中目黒GTプラザホール  参加:約80名

初めに目黒ユネスコ協会会長から挨拶後、門司氏がイラク、カタール、ユネスコ、カナダで全権大使をなさったご経験の自己紹介を頂いた。30代後半に日本から世界に誇れる酒を見出して感激し、世界に日本酒を広める決意をし、酒サムライとして日本酒外交を推進し始めたそうだ。2017年には40種類超の日本酒を提供したユネスコ本部(パリ)での日本酒セミナー利き酒会での様子を紹介頂いた。
しかし現在、日本酒の出荷量は減少し、1973年ピーク時の4分の1で、酒蔵数は1970年の約3,500軒から約1,400軒に減少する困難に直面し、日本酒は存在感の低下、社会での居場所を喪失している。海外での認知度も低く、輸出拡大とともに国内での需要喚起が何よりも重要であり、日本酒への新たな価値の付与、その手段として日本酒のユネスコ無形文化遺産登録を目指す「伝統的酒造り」を先導し正式提案なされた。「単なるアルコール飲料ではない、日本の文化としての日本酒」と宣言し、今年度末に登録に向け審議、決定されるそうだ。日本酒を真の「国酒」に、そして「世界酒」に!と最後に締めくくられた。
後半は、日本酒と日本文化の親善大使として世界でご活躍されている山田琴子氏が、日本酒の基礎講義を行った。試飲を行いながら、日本酒における味わいや香りの違いの理由や見分け方を説明した。今回、能登半島地震による酒蔵への被害の配慮から、石川県の酒屋から試飲のラインナップを揃え、参加者は説明に合わせて、お米の削り具合やアルコール添加がもたらす味わいの違いなどを体験した。また「日本酒には和食」は思い込みであり、日本酒と料理とのペアリング、特にワインの苦手な7つの食材・味にも日本酒は合うことについて紹介された。参加者からは「また門司氏、山田氏の話を聞きたい。」「日本酒の見方が変わった。良さを広める一員になりたい。」など感想を頂けた。日本酒の今後の可能性を期待していきたい。

研修委員長 山田 香代


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