日本本土の最西端、九州の西北部に位置する長崎県。島の数は1,479と日本一を誇り、透き通った海に囲まれた美しい島々には、自然や歴史、豊富な魚介類などの島のめぐみ、たくさんの魅力が詰まっています。長崎港から船で約40分のところに位置する端島(軍艦島の正式名称)、小さな海底炭坑の島は、岩礁の周りを埋め立てて造られた人工の島です。岸壁が島全体を囲い、高層鉄筋コンクリートが立ち並ぶその外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになりました。最盛期の1960年には、たった6haの島に約5300人もの人が住み日本一の人口密度を誇っていました。
この数ある島々の中で、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成遺産として2015年に世界文化遺産に登録された軍艦島(端島炭坑)を旅してきました。
明治期の産業革命期から、近代日本の発展を支え、最先端の技術と都市機能を併せ持つ炭鉱都市だった軍艦島も、国のエネルギー転換政策によりエネルギーの主力が石油へと変遷するにつれ衰退し、1974年に炭鉱が閉山。全ての住民が島を去ると無人島となり、往年の繁栄を偲ばせる高層アパートや炭鉱施設などコンクリートの廃墟だけが残されています。
船上から見る現在の軍艦島はさながら巨大な幽霊船。近代日本を支えた産業とそこに生活した人々の歴史の1ページがここに確実にあり消えていった。正に、「夏草や兵どもが夢の跡」。

研修委員会 和田 広美


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