日本の古代国家誕生の歩みを示す宮殿跡や寺院跡、墳墓で構成される奈良県の遺跡群「飛鳥・藤原の宮都」が、近くユネスコの世界文化遺産に登録される見通しとなった。2024年登録の「佐渡島の金山」に続き、国内の世界文化遺産22件目となる。国際的に高い評価を得たことはとても喜ばしいことである。
飛鳥周辺の山々や水田景観、四季折々にみせる美しい集落の景色は、この地が「日本人の心のふるさと」と呼ばれる由縁である。しかし、それだけではない。水田や集落の下には1400年前の遺跡が数多く眠っている。それらは、日本が国家として確立した「日本国誕生」を示す記憶である。飛鳥時代とは、推古天皇が豊浦宮に即位した6世紀末から、平城京遷都までの約120年間を指す。中国・朝鮮半島からの仏教伝来にともない、古墳時代から脱皮し、新しい文化を発展させた時代であり、政
治、経済、社会、文化ともに大変革が試みられた。天皇を中心とした律令国家へ飛躍するという意味において、日本国家成立の時代ということができる。
構成資産には、壁画で有名な高松塚古墳、キトラ古墳等の多数の古墳も含まれる。世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれ、そして未来の世代に引き継いでいくべきかけがえのない宝物。それらを人類全体のための遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存する目的で1972年にユネスコで世界遺産条約を採択。日本も1992年にこの条約を採択。世界遺産は文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類で構成。2024年8月時点で、全世界で登録されている世界遺産は:文化遺産952件、自然遺産231件、複合遺産40件。
広報 和田 広美
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